フィンランドのベンチャーキャピタル(VC)、スーパーヒーロー・キャピタルが第
2ファンドの一次募集(ファーストクローズ)を完了した。フィンランドおよびバ
ルト三国のスタートアップ25社に、今後4年で3,000万ユーロを投資する方針だ。
スーパーヒーローのパートナー、ストーラ氏とルオホネン氏は「データは『21世紀
の石油』と言われるが、素のままでは役に立たない。下すべき決断が自然と浮かび
上がってくるまで練られてこそ価値がある。我々が探しているのは、膨大なデータ
を分析して顧客の潜在意識(インサイト)を洗い出し、その過程で得られた気づき
を商品・サービスの開発・改善に活用していける企業だ」と話す。その例として、
これまでに投資してきた「リードフィーダー」(販売データとマーケティングデー
タを統合して効率的に販売情報を得るための多機能ツール)や、「ザダー
(Zadaa)」(体形や好みの似た人同士で衣料品の売り買いができるフリマアプ
リ)を挙げる。
今回資金を集めた第2ファンドでは、事業のごく初期から投資する「シード投資」
を行う。初期投資規模は、1案件当たり最高100万ユーロ。多くは40万ユーロ前後
だ。リトアニアの物流スタートアップ「ジティシティ(Zitictiy)」などに資金を
供給する。
投資の重点は引き続きフィンランドに置くが、バルト三国のスタートアップにも目
を配る方向で、エストニアとラトビアの連続起業家(シリアル・アントレプレ
ナー)をパートナーに迎えた。エストニアのパートナーであるレメルグ氏による
と、バルト三国のスタートアップ企業は2018年から19年にかけて44%増加し、業界
の秘める力の大きさを示唆している。