トルコで中国製ワクチンの接種開始、医療関係者を優先

トルコ政府は14日、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が製造
した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認し、大規模接種を開始した。当
初は医療関係者およそ120万人と高リスク者が対象で、その後に教師、警官と拡大
していく。
トルコは先月、シノバックからワクチン300万回分の供給を受けた。3月末までに全
発注量(5,000万回分)の納入が完了する予定。米ファイザーと独ビオンテックが
共同開発したワクチン450万回分の調達(3,000万回分の追加オプション含む)でも
合意しているとされるが、エルドアン大統領は11日、ビオンテックとは交渉中だと
述べた。
シノバックのワクチンはトルコのほかブラジルとインドネシアでも臨床試験が行わ
れているが、効果については不確実性が残る。ブラジルでは13日、有効率が当初発
表された78%より大幅に低い50.4%にとどまるとする試験結果が出された。トルコ
とインドネシアはそれぞれ91%と65%だが、臨床試験の規模が小さすぎるとの指摘
がある。世界保健機関(WHO)はワクチンの有効率について50%以上の基準を定め
ている。
トルコは人口8,300万人。新型コロナの感染者数は現時点で累計234万人に上り、こ
れまで2万3,000人が死亡している。政府は12月1日から夜間や週末の外出を禁止し
ている。

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