ロシアIT大手ヤンデックスは2日、国内タクシー最大手のヴィジオット
(Vezyot/Vezet)からコールセンター事業と貨物事業を最大1億7,800万米ドルで取
得すると発表した。ロジスティクスサービスの強化とロシア国内における顧客サー
ビス向上が狙い。6月末までに事業統合を完了する計画だ。
ヤンデックスは2019年7月にヴィジオットの買収計画を明らかにしていた。しか
し、連邦競争当局(FAS)への申請手続きが遅れたうえ、タクシー市場寡占の懸念
を理由に買収許可が下りなかった。今回の契約では寡占のリスクがある地方の事業
を除外するなど取得する資産を限定した。
買収後は、ヤンデックスと米ウーバーの合弁会社として2018年に誕生したMLUが、
ヴィジオットを統合する。MLUは17カ国で配車・フードデリバリーや公共機関向け
時刻表サービスを提供している。最終的な買収額は、統合過程における評価(マイ
ルストーン)に応じて決定される。