出前仲介サイトの独デリバリーヒーローは26日、南東欧6カ国の事業をスペインの
関連会社グロヴォに1億7,000万ユーロで売却すると発表した。これらの国で最大手
になるのは困難と判断し、資金をドイツ事業の再スタートなどに振り向ける狙い
だ。
対象となるのは、フードパンダ(ルーマニアとブルガリア)、ドネシ(セルビア、
モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ)、パウザ(クロアチア)の3子会社。
ルーマニアでは来年第1四半期中、他の5カ国では今後数週間以内に取引が完了する
見通し。
グロヴォは対象となる6カ国すべてに進出済み。5月12日にはスロベニアの出前大手
エフラナ(Ehrana)の取得を発表したばかりで、南東欧事業の地盤強化が進む。
デリバリーヒーローはアジア、欧州、中南米、中東、北アフリカの約50カ国で事業
を展開する。食事のほか、最近では食品・日用品の宅配にも力を入れる。ドイツか
らは2018年末、ジャストイート・テイクアウェイ(リファランド)に事業を売却し
て撤退したが、この夏、本格的に「再参入」する方針だ。ただ、出前・宅配サービ
スは利が薄い上、ドイツ市場の競争が激しく、採算がとれるかどうかを疑問視する
声もある。
デリバリーヒーローは今年4月、グロヴォに2億2,900万ユーロを投資し、同社株
37%を取得した。昨年末には同社から中南米事業を2億3,000万ユーロで買収してい
る。