シュコダ自、新長期戦略を発表

独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車が24日、2030年
に向けた新長期戦略「ネクストレベル・2030」を発表し、電動化をスピードアップ
する方針を明らかにした。また、新興市場事業強化による販売台数拡大や、チェコ
工場の電気自動車(EV)生産への移行、デジタル化の継続推進、売上高利益率8%
以上を確保できる体制づくりなどの目標を示した。
電動化では、低価格帯の完全電動車(BEV)3モデルを開発・市場投入して欧州での
地位向上を目指す。新モデルはいずれもクロスオーバーモデル「エンヤックiV」よ
り小型かつ低価格で、シュコダ自が得意とするエントリーモデル強化につながる。
これにより欧州販売台数で5位以内を狙う。また、欧州販売に占めるBEVの割合を
2030年までに50〜70%へ引き上げる。
新興市場であるインド、ロシア、北アフリカでは、欧州メーカー1位の座を狙う。
これにより、世界販売台数150万台の達成を射程に入れる。インド仕様SUVの「ク
シャク」は中期的に他の新興国でも発売する。
自動車市場の電動化に対応する措置としては、チェコにおけるEV・部品生産を推進
し、雇用を維持・拡大する。国内3工場のすべてでEV部品またはEVを生産する体制
を整える。
デジタル化の継続では、シュコダ車およびシュコダ自のサービスを直感的に操作で
きるように工夫していく。すでに実用化した「パワーパス(PowerPass)」がこの
戦略の一例で、シュコダ自のドライバーを対象に充電を簡便化するサポートを提供
している。
デジタル化ではオンライン販売も強化する。25年に全体の5分の1をオンラインで販
売する目標だ。
電動化・デジタル化にともなう従業員研修費として22年〜30年に総額5億ユーロ弱
を支出する。また、管理職に占める女性の割合を25%へ高める。
採算性については、業務効率化や、電動化進展にともなう展開モデル数の縮小を通
じ、売上利益率で常に8%以上を保てる体制を整える。
環境戦略では、全モデルの二酸化炭素(CO2)排出量を20年比で半減させる。30年
までに、チェコとインドの全工場でカーボンニュートラル(実質的な排出量がゼ
ロ)を実現する方針だ。

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