ロシア原子力公社(ロスアトム)は23日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長
国に本拠を置く、中東最大の港湾管理会社DPワールドと、北極海コンテナ輸送事業
の開発で提携契約を結んだ。世界的な気温上昇で海氷が減る北極海を航路として開
拓する政府の方針に沿うものだ。両社は合弁会社を設立し、航路沿いの運輸・物流
能力を整備・運用する。
DPワールドは、「北極海航路が実現すれば世界貿易の3分の2は両大陸間の交易であ
り、時間短縮によって二酸化炭素(CO2)排出量が大きく削減できる」と新航路開
拓の意義を強調した。また、他の航路と異なり「喫水・船幅の制限がなく、混雑も
ない」のが特長と指摘した。
北極海航路の輸送量は昨年、3,300万トンだった。プーチン大統領は24年までに
8,000万トンへ引き上げる目標を明らかにしている。
DPワールドはすでに2016年に、ロシア直接投資基金(RDIF)との合弁会社を通じ、
北極海航路沿いの港湾整備に最大20億米ドルを投資することを約束している。