チェコ国営電力CEZ、ブルガリア子会社の売却が完了

チェコ国営電力大手CEZは7月27日、ブルガリア子会社7社を同国の金融・保険系持
ち株会社ユーロホールドへ売却する手続きが完了したと発表した。国内事業への集
中に伴う措置で、取引額は3億3,500万ユーロに上った。これにより、CEZのブルガ
リア事業はエネルギーサービスと電力取引事業を残すのみとなった。
ユーロホールドは2019年にCEZと取引で合意した。しかし、規制当局による承認が
なかなか下りず、ようやく手続きが完了した形だ。取得した7社のうち2社で少数株
主に対する買収提案が義務付けられていることから、取引にともなう総費用は5億
ユーロに上る見通し。すでに7月に増資を実施し、買収資金として1億5,700万レフ
(8,030万ユーロ)を調達している。買収した企業は完全子会社イースタン・ヨー
ロピアン・エレクトリック・カンパニーが管轄する。
CEZは2004年の電力事業民営化を機にブルガリアへ進出した。しかし、この際に結
んだ契約を政府が守らなかったとして、国際調停手続きを申請した。今回の子会社
売却後も調停手続きは継続する。
CEZはすでにルーマニア市場から撤退し、ポーランド資産についても売却の方針を
明らかにしている。2020年の配当金を前年の34コルナから52コルナへ引き上げてお
り、国外資産の売却益の一部は配当に充てる。これにより、株価を押し上げる狙い
だ。(1BGN=66.43JPY)

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