リトアニア、中国製スマホの使用中止を勧告

リトアニア防衛省は21日、消費者に対し、中国製スマートフォンを買わないよう呼
びかけた。使用中のものも、できるだけ早く処分すべきとの立場だ。政府による調
査の結果、検閲機能やセキュリティ上の問題点がみつかったためと説明している。
この調査は、◇欧珀(オッポ)グループの一加(ワンプラス)の「8T」◇華為技術
(ファーウェイ)の「P40」◇小米科技(シャオミ)の「Mi 10T」——の3モデルを
対象に実施された。いずれも次世代通信規格(5G)に対応している。
調査報告によると、シャオミの端末では、「フリー・チベット」や「台湾の独立万
歳」、「民主運動」といった言葉を検知し削除する機能が内蔵されていることが分
かった。その数は、キーワード群も含めて449語・種類に上り、中国語でもアル
ファベットでも検知されるようになっていた。欧州連合(EU)域内ではこの機能の
スイッチはオフになっていたが、遠隔操作でいつでもオンにすることが可能だ。
また、シャオミのクラウドサービスをユーザーが使うたびに、暗号化されたショー
トメッセージ(SMS)が秘かにシャオミのサーバーへ送られていることも判明し
た。暗号が解読できなかったため、どのような情報が送信されているのかはわかっ
ていない。
さらに、スマホ及びユーザーについて、最高61項目のデータを収集していた。この
データは、Miブラウザアプリ使用時に得られる情報や、アプリがグーグルアナリ
ティクスのアカウントおよび中国のサーバーに送った情報から集められていたとい
う。
ファーウェイ製スマホでは、セキュリティの問題が発覚した。同社公式アプリスト
ア「アップギャラリー」は、ユーザーの探すアプリを自社で扱っていない場合、外
部のストアに自動転送する。その外部ストアで配布しているアプリに、マルウエア
やウィルスに感染しているアプリが見つかったという。
ワンプラスのスマホは問題がみつからなかった。
リトアニアと中国の関係は最近になって悪化している。今年7月、台湾がリトアニ
アに設置する代表機関に「台湾代表処」の名称を用いると発表したことがきっかけ
だ。中国は先月、リトアニアに対して在中国大使の引き揚げを要求。自国の在リト
アニア大使を呼び戻した。リトアニアは今月初めに「協議のため」、在中大使を
「一時的」に召還した。
中国は台湾が自国領土であるとの認識から、他国機関・企業が「台湾」の名称を国
名のように扱うことを強く拒否している。このため、台湾の国外代表機関の名称は
「台湾」を用いず、「中華台北(チャイニーズタイペイ)」などとしていることが
多い。

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