トルコが公設市場を新設、高インフレのなか「適正」価格で食品販売

トルコのエルドアン大統領は3日、農業協同組合に対し全国約1,000カ所に公設市場
を新設するよう命じたと発表した。年率20%弱の価格高騰を受けた措置で、「適正
価格」で買い物できる場を設けて、政府支持率の低下を食い止める狙い。同時に、
物価上昇の責任を小売店に転嫁する戦略だ。
トルコのインフレ率は上昇を続け、9月には19.6%を記録。食品価格は30%近く上
がっている。政府は今回の措置で面積500平方メートルの市場を全国くまなく設置
し、物価上昇に対抗するとしている。一方、大統領は先ごろ、「不正価格」、「消
費者虐待」の疑いで大型小売店の調査を開始した。インフレの責任を小売店に求め
る姿勢は、2018年の通貨危機後と変わっていない。
市場関係者は、インフレ加速の最大の理由が、中央銀行への信頼失墜にあるとみて
いる。エルドアン大統領は3人連続で中銀総裁を解任。中銀は先月、大統領の意向
に沿い、高インフレのなか金利を18%へ、1ポイント引き下げた。その結果、通貨
リラは史上最安値を記録した。

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