独VWの東欧セル工場、立地決定は来年上半期

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は11日、東欧に設置する電動車
(EV)向け二次電池セルの工場立地を、来年上半期中に決定すると発表した。欧州
6カ所で整備を計画する工場のうちの一つで、2027年の稼働を予定する。候補地と
してはハンガリー、ポーランド、スロバキア、チェコが挙がっている。
VWのヘルベルト・ディース社長とトマス・シュマル技術取締役およびVWグループの
シュコダ自動車のトマス・シェーファー社長は11日、候補国の一つであるチェコで
ハヴリチェク通産・運輸相と会談し、eモビリティに関し意見を交換した。VWはセ
ル工場の立地決定における重要な判断基準として、◇経済的環境◇eモビリティ政
策◇助成制度——などを挙げているが、シュマル取締役はチェコの長所として、◇
エネルギー価格、労働コストの安さ◇VWグループの他の東欧拠点への交通の便が良
い◇リチウム埋蔵量が欧州最大——に触れた。そのうえで、政府が腰を据えてeモ
ビリティへの転換を進めていくことが肝要だと強調した。具体的には◇再生可能エ
ネルギーへの転換◇充電インフラの整備◇未来を担う技術に対する包括的支援——
を挙げた。
会談を機に、チェコ政府および道路・鉄道局、国営電力CEZ、シュコダ自は基本合
意書を交わし、25年までに国内数千カ所で充電インフラを整備する目標に向けて協
力していくことを確認した。
VWは30年までに欧州の6カ所に大規模なセル工場を設置し、合計240ギガワット時
(GWh)の生産能力を整備する方針を明らかにしている。

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