ロシアで新型コロナウイルスの感染が再拡大している。28日には1日当たりの新規
感染者数が初めて4万人を超えたほか、死者数も過去最高の1,159人を記録した。
プーチン大統領は同日、有給の一斉休業措置(「非労働日」)を30日から来月7日
まで全国で実施すると発表。これに先立ち28日にはモスクワが昨年6月以来のロッ
クダウン(都市封鎖)に踏み切った。
プーチン大統領によると、非労働日の期間中は公共サービス従事者のみが有給の対
象となる。一部地域ではアルコールの販売が禁止される。モスクワでは食料品店や
薬局など生活必需品を扱う店舗を除き営業を禁止し、レストランは持ち帰り販売の
み認める。幼稚園と学校も休みとする。
■進まぬワクチン接種が再拡大の背景に
ロシアでは自国開発の「スプートニクV」を含む4種類のコロナワクチンが認可され
ているが、効果への疑念やワクチンそのものへの忌避感から国民の多くが接種を避
けている。公式データによると、接種完了者は総人口(約1億4,700万人)の32%に
とどまる。接種率が最も高いのはモスクワ圏で、最も低いのは北コーカサスのダゲ
スタン共和国となっている。
ペスコフ大統領報道官は、強制的なワクチン接種を行う予定は今のところないと述
べている。日刊紙『コメルサント』によると、政府は主に農村地域を対象にワクチ
ンの啓蒙キャンペーンを実施する計画だ。