トルコ大統領、原発増設計画の堅持を言明

トルコのエルドアン大統領は9日、国内第2、第3の原子力発電所の建設に向け、早
急に準備を進めると話した。国内初のアックユ原発に続くもので、化石資源の輸入
を増やすことなく国内の電力需要拡大に対応する目的だ。ただ、現状ではトルコで
の原発計画への参加が有望なのはロシア国営のロスアトムのみ。技術・燃料共に同
国へ依存することになるため、真の自給につながる再生可能エネルギーへ多くの資
金を投じるべきとの意見もある。
南部メルスィン県で建設中のアックユ原発は、ロスアトムが建設・運営を受け持
つ。エルドアン大統領は今年3月の第3号機の定礎式後、そして9月の訪露後にも、
さらなる原発の建設計画について、プーチン大統領から協力の意向を受けたと話し
ていた。
アックユ原発では第1号機が2023年に稼働する予定だ。26年末までに、原子炉4基す
べての運転を開始する。総出力は4,800メガワット(MW)で、国内需要の10%をま
かなえる見通し。
第2原発の立地は黒海沿岸のシノップに決定、第3原発はブルガリア国境に接するク
ルクラーレリ県の黒海沿岸が候補に上っている。シノップ原発の建設では三菱重工
と仏アレバ(現フラマトム)の合弁企業アトメアが受注する予定だったが、発電電
力の買取価格をめぐってトルコとの溝が埋まらず、19年に計画から撤退した経緯が
ある。
トルコの電力需要はパンデミックの間も拡大を続け、昨年12月の需要は前年同月か
ら4.8%増加した。

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