トルコ即配サービスのゲティシュ(Getir)は11月23日、英競合ウィージーを買収
すると発表した。同社の獲得で英国における地盤強化を図る。取引金額は明らかに
されていない。
ウィージーは2019年、英国初の即配サービスとして設立された。ロンドンのほか、
マンチェスター、ブライトン、ブリストルで営業する。いずれもゲティシュが進出
している町だ。従業員700人についてゲティシュは正社員として受け入れる方針を
示している。
ゲティシュは2015年の創業。本国トルコ、米国、西欧諸国でサービスを提供する。
英国へは今年1月に進出し、ロンドン、リバプールなど15都市にサービスを広げて
いる。ロンドン事業ではブランド確立に向けて強力なプロモーションを展開中だ。
ゲティシュは今年、3回の資金調達を実施し、合計で約10億米ドルを集めた。同社
によると、企業価値は現在77億ドルに上昇している。
新型コロナの世界的流行で食事や食品の宅配需要は急激に伸びたが、業界企業の多
くは未だに採算ラインを超えられないでいる。この状況を反映して企業買収の動き
が盛んになっており、最近では米ドアダッシュが欧州進出に向け、フィンランドの
ヴォルト・エンタープライジーズを株式交換方式で買収したばかりだ。取引に当
たっての企業価値は約70億ユーロと評価された。