スロベニアと台湾が代表処設置で協議、EU・中国関係に新たな波紋

台湾外交部は18日、スロベニアと代表処設置に向けて協議していることを事実と認
めた。スロベニアのヤネズ・ヤンシャ首相の発言を追認するもので、欧州連合
(EU)・中国間の緊張がさらに増しそうだ。
ヤンシャ首相は17日、インド公共放送ドゥールダルシャンの取材に対し「台湾と相
互に代表機関を設けることを検討中」と話した。「他のEU加盟国の例に沿うもの
で、大使館ではない」と断る一方、「台湾人が独立して生きる道を自ら選択した場
合には、その決定を支持する」と明言した。
中国外務省は19日、「スロベニア首脳が『台湾の独立』を支持することを通じて
『一つの中国』原理を侵す危険な発言を公に行った」という見方を示し、「深い
ショックを受けており、これに強く抗議する」とコメントした。
中国の香港や新疆における人権抑圧や、台湾に対する軍事的圧力などを受けて、EU
の中国に対する見方は変化しつつある。リトアニアが昨夏、「台湾」の名前を掲げ
る代表処の設置を認めたことを機に、中国は同国との外交関係を格下げした。その
後も交易を事実上、停止したり、独コンチネンタルなど欧州大手企業に同国製部品
の使用中止を求めるなど非公式な「制裁」に動いた。
欧州は公式に中国のこのような措置を否定し、リトアニアを支持する姿勢を明らか
にしているが、どのような実効的措置をとるのかはまだ明らかになっていない。ヤ
ンシャ首相はすでに昨年9月の時点で、EU議長国首相の立場で中国を強く批判し、
リトアニアを支援するよう加盟国に呼び掛ける声明を出していた。

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