セルビアのアレクサンドル・ブチッチ大統領は5日、訪問先の北京で習近平国家主
席と会談し、両国関係の堅固さを確認した。経済面では遅くとも年末までに自由貿
易協定(FTA)を締結できるとの見方だ。
与党・進歩党のユーチューブチャンネルに投稿した動画で明らかにしたところによ
ると、FTAの締結で両国貿易高は現行の53億米ドル(46億ユーロ)から80億ドルへ
拡大すると見込まれる。これは対ドイツ貿易高に匹敵する規模だ。
また、中国とのFTAを結んでいることが魅力となり、欧米諸国がセルビアへ投資す
る動機の一つとなるとみている。
公式統計によると、セルビアの貿易高は昨年、594億ドルに上った。このうち欧州
連合(EU)加盟国との取引が60.3%を占める。ロシアを中心とするユーラシア経済
連合(EAEU)とのFTAは昨年7月に発効した。
ブチッチ大統領は今回、多くの欧米諸国の首脳が人権問題を理由に北京冬季五輪開
会式への出席を見合わせる中で同国を訪問した。これを通じて中国との関係重視を
アピールした形だ。