トルコ中央銀行は17日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利
を14%に据え置いた。金利据え置きは3会合連続。インフレ率が50%を超えて加速
する中、低金利に固執するエルドアン大統領の意をくむ形で利上げを見送った。
同国のインフレ率は2月に54.4%となり、2002年3月(65.1%)以来の高水準を記録
した。インフレ率の上昇は9カ月連続で、特に昨年11月からは上げ幅の合計が33.1
ポイントと急拡大している。通貨リラ安に伴う輸入品価格の上昇がエネルギー価格
と食品の高騰に拍車をかけている。
中銀はインフレ率の上昇について、ウクライナ紛争の激化に伴うエネルギーコスト
の上昇や、金融政策の埒外にある供給側の要因、「経済の基礎的な条件を反映して
いない価格設定」などによるものだと指摘。地域紛争の解決と、物価の安定に向け
て講じる「断固たる」措置を背景にディスインフレ効果が現れることを期待し、金
利据え置きを決めたと説明した。今後については、インフレ率を5%程度とする中
期目標の達成に向けて「利用可能なすべての措置をとる」とする従来の見解を繰り
返した。
「金利の敵」を自任するエルドアン大統領は、インフレが記録的な高水準にある中
でも経済成長を優先する姿勢を崩していない。米ブルームバーグは、ロシア人とウ
クライナ人の割合が高いトルコの観光セクターは紛争による打撃を免れないと指
摘。エネルギーと食料価格の上昇傾向を踏まえると、今年末のインフレ率を23.2%
とする中銀目標の実現はますます遠のいたとの見方を示した。