シュコダ自の21年決算、減産でも増収総益を確保

独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車が22日発表した
2021年12月期の営業利益は前年比43.2%増の10億8,000万ユーロに拡大した。半導
体不足で悩まされながらも、販売単価拡大やコスト削減で増収を確保した。今期に
ついては、ロシアのウクライナ侵攻を理由に業績見通しの発表を控えた。
半導体不足で下半期に約28万台の減産を強いられたため、販売台数は12.6%減の87
万8,200台に後退した。ただ、モデルレンジの改善と高付加価値モデルの販売が奏
功して、売上高では3.9%増の171億ユーロを確保した。売上高利益率は6.1パーセ
ントに上昇した。
電動(EV)モデル「エンヤックiV」が予想を大きく上回る4万5,000台弱を売り上
げ、利益率向上に貢献した。今年はエンヤックのEVクーペを発売するほか、SUV
「カロック」のフェイスリフトモデル、小型車「ファビア・モンテカルロ」、「エ
ンヤックRS」(エンジン車)を市場投入してモデル攻勢を強める。
シュコダ自は今期について、ウクライナ戦争の影響で供給不足に陥るリスクを指
摘。常に事業への影響を分析するとともに、効率化を継続する決意を示した。
シュコダ自によると、ワイヤーハーネス調達先であるウクライナのサプライヤーが
工場再稼働を決めた。これにより、エンヤックEVの生産が再開できる見通しだ。エ
ンヤックiVの受注残は11万5,000台に上っている。