OMVペトロムがSAFを生産、地元産の菜種油を原料に

オーストリア石油大手OMVのルーマニア子会社OMVペトロムは23日、菜種油を原料に
持続可能な航空燃料(SAF)を生産すると発表した。国内中南部プロイェシュティ
のペトロブラジ精製所で、地元産の菜種油を共処理して生産する。7月に最初の試
験稼働を行う予定。同社のSAFは従来の航空燃料と比較して、商用飛行における二
酸化炭素(CO2)排出量を約70%削減できる。
SAFの生産はOMVペトロムの戦略目標の一つで、航空業界の気候目標を達成するため
の重要な代替手段と位置付けている。同社は2030年までにSAFと水素化植物油
(HVO)を年間約45万トン生産する目標を掲げる。将来的には廃食用油など様々な
廃棄物を原料にSAFを生産する方針だ。
ペトロブラジ精製所は年間で450万トンの処理能力を持つルーマニア有数の石油化
学施設。SAFとHVOの生産に向け、同国の精製所で初めてISCC(国際持続可能性カー
ボン認証制度)の認証を取得した。
欧州連合(EU)の欧州委員会は50年までに域内の航空輸送燃料の最低63%をSAFと
する計画だ。ルーマニアはEU第4位の菜種生産国で、生産物の大半は原材料(種
子)として輸出されている。

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