トルコの8月インフレ率80.2%に上昇、過去24年で最高に

トルコ統計局(TUIK)が5日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月に比
べ80.2%上昇し、1998年10月以来で最高を記録した。前月比の上昇幅は1.46%と、
年初以来で最も小さくなり、インフレ高進のペースがやや緩んでいる。ただ、価格
変動の大きい食品・燃料などを除いたコアインフレ率は66.1%で前月の61.7%から
加速。依然としてインフレ圧力が弱まっていないことを示している。生産者価格指
数(PPI)は前月比で2.4%上昇し、年間上昇率は143.7%と、前月の144.6%からや
や低下した。
中央銀行は先月、市場予測に反し、政策金利を14%から13%へ引き下げた。景気対
策を優先するエルドアン大統領の方針に従った形で、「通貨リラの地盤が崩れつつ
あるトルコにとって、高インフレ局面における金融緩和が大きな懸念(コメルツバ
ンクのタタ・ゴーズ氏)」となっている。
TUIKのデータに疑念を示す人も多くなっている。イスタンブール市が99.9%、研究
者で作るENAインフレーション・リサーチグループも181.4%の物価上昇を報告する
など、公式統計と大きな差があることがその理由だ。また、TUIKの管理職が次々に
解雇されていることも統計値への信頼を揺るがしている。