ルーマニア中央銀行は8日、政策金利を0.5ポイント引き上げ6.75%に設定した。高
インフレの継続が予想されるためだ。利上げは5会合連続で、年初以来の利上げ幅
は合計で4.75ポイントに上ったが、今回は過去4回(0.75〜1ポイント)よりも小幅
の上昇となった。貸出金利と預金金利もそれぞれ7.75%、5.75%へ、0.5ポイント
ずつ引き上げた。
ルーマニアの消費者物価は今年に入り急速に上昇し、過去20年来の高水準となって
いる。9月インフレ率は15.9%と、8月の15.3%からさらに悪化した。中銀では今
後、物価上昇率が横ばいになるものの、減速するのは来年になってからと予測す
る。また、1ケタ台になるのは早くても2024年上半期とみる。
一方、物価上昇による需要減が経済に与える影響も懸念される。中銀の予想による
と、10-12月期の国内総生産は前年同期並みにとどまる。来年もインフレが成長の
足かせとなりそうだ。