豪資源大手のリオ・ティントのジェイコブ・スタウショーン最高経営責任者
(CEO)は15日、セルビアのリチウムプロジェクトに関連し、同社としては「まだ
断念したわけではない」という立場を明らかにした。同国のアナ・ブラナビッチ首
相が13日、同社による開発計画が「復活する可能性は見出せない」と発言したのに
対するものだ。
リオ・ティントは2004年にセルビア西部ヤダル渓谷のロズニツァ付近で欧州最大規
模のリチウム鉱床を確認。電動車(EV)用バッテリーとしての需要拡大をにらみ、
昨年、24億米ドルを開発事業に投じる方針を発表した。しかし、環境保護団体や地
域住民を中心とする反対運動が強まり、政府が1月、リオ・ティントの開発免許を
取り消した経緯がある。
アレクサンダル・ヴチッチ大統領も先月、リオ・ティントの開発計画の復活はない
という見方を明らかにした。ただ、リチウム資源の調査を永久に禁止するのは非合
理的とし、その活用の可能性に言及した。