ロシア中央銀行は10日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利
を7.5%に据え置くことを決めた。据え置きは3会合連続。インフレリスクの高まり
を警戒しつつ、景気のテコ入れを図るため利上げを見送った。
同国のインフレ率は低調な消費活動を反映し、12月に前月から0.1ポイント減の11.
9%まで低下した。インフレ率の低下は8カ月連続。中銀の6日時の推定では11.8%
まで下がっている。これについて中銀は、消費者と企業のインフレ期待は依然高
く、インフレリスクがディスインフレリスクを上回っていると指摘。今年に入って
消費活動に回復の兆しがみられており、足元の物価上昇率は加速していると説明し
た。年間インフレ率は今年5〜7%まで下がり、2024年に4%の目標値に戻ると予想
する。
国内総生産(GDP)成長率は昨年、2.5%減少した。今年はプラスマイナス1%で、
2024年は0.5〜2.5%増加、25年には1.5〜2.5%成長する見込み。
中銀は声明で、国内経済は動員の影響や労働需要の増加により多くの産業で人手不
足が深刻化していると強調。実質賃金の伸びが生産性を上回るおそれがあると警告
するとともに、インフレ期待の高さが内需の増加に拍車をかけるとし、インフレリ
スクが強まる場合には利上げを行う可能性を示した。