ブルガリアの貨物輸送ドローン製造・運用会社、ドロナミクス(Dronamics)は17
日、プレシリーズAラウンドで4,000万米ドルの調達に成功したと発表した。アラブ
首長国連邦(UAE)のタワズン経済評議会の投資部門、戦略開発基金(SDF)をはじ
め、世界12カ国の投資家が応じた。同社はUAEに合弁を設立する計画で、SDFは今後
も追加支援する方針を明らかにしている。
ドロナミクスのUAE合弁は中東および北アフリカ地域におけるハブ拠点として、ド
ローン製品の製造や販促を行う予定。SDFのアブドラ・ナセル・アル・ジャーバリ
最高経営責任者(CEO)は、「我々は、人や貨物の自律的な移動を持続可能かつ費
用対効果の高い方法で開発する航空宇宙・モビリティ企業に対し投資する。ドロナ
ミクスの経済性は将来有望で、顧客は効率よく迅速に貨物配送のメリットを受けら
れる」と述べた。
ドロナミクスの長距離輸送用ドローン「ブラックスワン」は最大荷重350キロ、航
続距離2,500キロメートル。燃費が良く、航空貨物便を含め他の輸送手段より二酸
化炭素(CO2)排出量を最大60%削減できるという。医薬品、食品、部品業界、電
子商取引(EC)など多様な分野の需要を見込む。
同社は昨年5月、欧州連合(EU)に拠点を置くドローン企業として初めて、中距離
貨物輸送用の軽量無人航空機(UAS)の事業者認定(LUC)を取得した。同年11月に
は欧州委員会から、ディープテックの振興に向けた欧州イノベーション会議
(EIC)の枠組みを通じ助成金250万ユーロを受けている。