トルコ中央銀行は23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利
を0.5ポイント引き下げ、8.5%に設定した。利下げは同国南部で発生した大地震の
影響を踏まえたもので、市場の予想通り。インフレ率も低下しており、経済活動の
支援に焦点を置く。中銀は前回まで2会合連続で金利を据え置いていた。
今月6日にトルコとシリアの国境沿いで発生したマグニチュード7.8の大地震はトル
コ側だけでも4万6,000人以上の死者を出しており、過去1世紀で同地域最悪の地震
災害となっている。中銀は声明で、鉱工業生産の成長と雇用の伸びを震災後も維持
するため財政状況の下支えが重要だと強調した。「地震は経済活動に短期的な影響
を与えるが、永続的な影響はない」と予想している。
同国のインフレ率は1月に57.68%となり、12月(64.27%)から6.59ポイント低下
した。インフレ率の低下は3カ月連続。エネルギー価格の下落に加え、比較対象と
なる前年同月のインフレ率が48.69%と高水準だったことによるベース効果が大き
い。中銀はインフレ圧力が緩和されているとの見方を示しつつ、地震による需給の
不均衡がインフレに与える影響を注視するとしている。
今回の震災の復興費用は数百億から1,000億米ドル規模に上ると見積もられてい
る。蘭ING銀は、同費用の追加的な財政負担と中銀の支援姿勢がインフレに圧力を
かける可能性が高いとみている。