ポーランド中央銀行(NBP)は5日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を
6.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは7会合連続。中銀は2021年10月か
ら22年9月にかけて11会合連続で利上げを実施した。経済成長の鈍化が見込まれる
中、インフレ率を確実に押し下げるため高金利を維持する。ロンバート金利は
7.25%に、公定歩合(再割引率)は6.8%に、預金金利は6.25%にそれぞれ据え置
いた。
同国のインフレ率は3月に16.2%となり、前月から2.2ポイント縮小した。燃料・エ
ネルギー価格の下落が大きい。中銀は年間インフレ率について、今年の10.2〜
13.5%から24年には3.9〜7.5%へと低下し、25年は2〜5%と目標値の2.5%に近づく
とみる。
国内総生産(GDP)成長率は昨年10-12月期(第4四半期)に前期から1.6ポイント減
の2%に低下し、3四半期連続で縮小した。今年1-3月期(第1四半期)は1.2%のマ
イナス成長が見込まれている。
中銀は声明で、同国のインフレ率は主に消費の鈍化に伴うGDP成長率の縮小により
低下すると予想。世界的な景気低迷と商品価格の下落によりディスインフレ効果が
現れると判断し据え置きを決めたと説明した。また、為替相場におけるズロチの変
動を抑えるため市場に介入する方針も繰り返した。
蘭ING銀は、インフレの鈍化ペースの遅さと、持続的なインフレリスクの高さのた
め、中銀の金融緩和は2024年後半になると予想している。