セルビアの電池開発企業イレヴネス(ElevenEs)はこのほど、同国北部スボティ
ツァにリン酸鉄リチウム(LFP)電池セルの工場を開設した。同工場は欧州におけ
る初めてのLFPセル生産施設となる。投資額は以前の報道によると5億5,000万ユー
ロ。欧州連合(EU)系の投資機関EITイノエナジーから資金を調達した。
イレヴネスは新工場で高品質のLFPプリズムセルを生産し、電気自動車(EV)をは
じめ電動バスやトラック、エネルギー貯蔵システムなど様々な用途に供給する。
2024年までに年500メガワット(MWh)を出荷する予定。さらに今後5年間で2つのギ
ガファクトリーを整備し、EV100万台に相当する48ギガワット時(GWh)の年産能力
を整備する計画だ。
同社のセル製品「EDGE」は長さが最大で業界最長の1メートル。独自のセルトゥー
パック機能を持ち、他のLFPセルと比べ、パックでのより高いエネルギー密度を備
える。
LFP電池はニッケルやコバルトなど高価で需要も多い材料を使わないためコストを
抑えられる。耐久性が高く頻繁な高速充電にも耐えられ、競合技術の3倍の寿命を
持つとされる。