西村康稔経済産業大臣は4日、訪問先のポーランド・ワルシャワで同国のアンナ・
モスクワ気候環境大臣と会談し、水素分野での二国間協力を強化することで合意し
た。エネルギー、輸送、暖房、製造などの産業分野における持続可能で値ごろな水
素のサプライチェーンの構築や、グリーン水素の生産で緊密に協力する。
世界の水素市場は2028年に2,200億米ドル規模に達すると見込まれている。モスク
ワ大臣は今回の合意について「日本企業によるポーランドや欧州の一部の水素セク
ターへの投資を後押しするとともに、ゼロエミッションの実現に向けた国際協力に
関与するポーランドの存在感を高めると確信している」とコメント。「ポーランド
は水素利用の取り組みに積極的に参加したいと考えており、水素生産で地域をリー
ドしている」と強調した。同国の水素生産量は年間130万トンで、世界で5位、欧州
連合(EU)では3位につける。
同大臣はまた、日本が持つ二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)技術に「強い関
心を持っている」と述べた。
両国の当局者はこのほか、ポーランド国立原子力研究センター(NCBJ)と国立研究
開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)による高温ガス冷却炉(HTGR)の共同開
発プロジェクトを含む、「原子力エネルギーの成長のための革新的なソリューショ
ンの確立に向けた協力の選択肢」についても話し合った。