ポーランドの新興企業イノベーションAGが独自開発した電動バン「e-Van」が、路
上走行試験で航続距離396キロを達成した。現在、市場で手に入る電動バンで400キ
ロを超えるのはフォルクスワーゲン(VW)の「ID.buzzカーゴ」(425キロ)だけ。
しかし、e-Vanの最大積載量が3.5トンと、ID.buzzカーゴの5倍以上であることを勘
案すると、その性能が明確となる。
イノベーションAGは、ドイツとチェコとの国境に近いズゴジェレツに拠点を置き、
特殊自動車の改造や修理を手がける。電動バンの開発は、ポーランド経済省に付属
する国家研究開発センター(NCBR)のコンテストに参加したのを機に本格化 し
た。
e-Vanのプロトタイプは、1トンの荷を乗せたダイナモテストで航続距離343.3キ
ロ、空荷の路上走行試験(高速道を含む)では396キロを達成した。開発の要であ
るシャシ「ソクウ(sokol)」については、ライセンス生産に関心を持つ投資家も
多く、現在交渉を進めているところという。ソクウは60〜110キロワット時のバッ
テリーを搭載できる。
イノベーションAGの開発した電動車はこれまでに鉱山やクルコノシェ国立公園で運
行されている。また国内初の電動救急車も同社が手がけた。