IHIインフラシステムは7日、イタリアの建設会社ウィービルド(Webuild、旧アス
タルディ)と合弁で進めているドナウ川架橋プロジェクトのうち、ルーマニア国内
最長の吊橋「ブライラ橋」が開通したと発表した。同吊橋は同国東部のブライラ市
と対岸のトゥルチャ市をつなぐもの。完成によりドナウ川下流の渡河が容易にな
り、交通の利便性が格段に向上する。
IHIは2018年1月、同事業をルーマニア道路インフラ公社からデザインビルド(設
計・建設の一括請負)で受注した。IHIグループにとり同国での初の受注案件とな
る同事業は、全長2,000メートル弱の吊橋(4車線)と高架接続橋(両端約110メー
トル)、接続道路を含む総延長約23キロメートルの道路・橋梁を整備するというも
の。今回は吊橋と接続橋、および接続道路の一部が開通した。吊橋の主塔間の距離
を表す中央径間長は1,120メートルで、欧州連合(EU)域内で3番目の規模を誇る。
ブライラ市と対岸の移動手段はこれまで、100キロメートルを超える迂回路や船に
限られていた。12月に開通予定の接続道路は既存の高速道路につながるため、ルー
マニア最大のコンツタンツァ港とルーマニア東部地域間の貨物流通が効率化され、
EU経済の活性化につながると期待される。