トルコがガソリン税を3倍に引き上げ、インフレ再燃に懸念

トルコ政府は16日、ガソリンを含む燃料税を約3倍に引き上げた。2月の大地震と5
月の大統領・議会同時選挙を受けて支出が増大しており、歳入不足を補う考えだ。
今月初旬に実施した付加価値税(VAT)率2ポイントの引き上げに続く増税となる。
税額はガソリンで1リットル当たり2.52リラから7.52リラに、軽油で2.05リラから
7.05リラに引き上げられた。上昇率はそれぞれ、198.4%、243.9%に上る。今回の
増税によりガソリンの小売価格は約20%の上昇が見込まれている。
同国の今年1-5月期の財政赤字は2,636億リラ(約895億ユーロ)となり、前年同期
の1,246億リラから111.6%拡大した。同時選挙をにらんで政府が天然ガスの無料化
を実施したことが響いた格好だ。震災の復興費用が1,000億米ドル規模に達すると
見積もられていることもあり、政府は増税に踏み切った。
通貨リラの対米ドル相場は2018年比で80%以上下落している。同国は燃料や食品の
輸入依存度が高く、インフレ率は昨年10月に85.51%まで上昇した。今年6月には
38.21%まで下がったものの、今回の増税で再び押し上げられる可能性が指摘され
ている。(1TRY=5.29JPY)

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