ロシア中央銀行は21日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利
を7.5%から1ポイント引き上げ、8.5%とすることを決めた。利上げは昨年2月以
来、17カ月ぶり。市場は0.5ポイントの上げ幅を予想していた。生産能力を上回る
内需の拡大や通貨ルーブル安により高まっているインフレリスクを抑えるため、大
幅な利上げに踏み切った。24日付で新金利を適用する。
同国のインフレ率は6月に3.2%となり、前月から0.7ポイント拡大した。インフレ
率の上昇は2カ月連続。中銀の推定では7月17日時点で3.6%まで上がっている。年
初からのルーブル安に加え、労働力不足を背景に生産能力が内需の伸びに追い付か
ず、物価を押し上げている。中銀は今年の年間インフレ率を5〜6.5%とし、前回予
測の4.5〜6.5%から引き上げた。そのうえで、引き締めを基調とする現行の金融政
策を踏まえると、2024年には目標値の4%近くに戻るとみる。
中銀は声明で、国内経済はバランスのとれた成長軌道から逸れつつあり、公共投資
と家計消費がより拡大した場合にその傾向は顕著になると指摘。地政学的な緊張に
伴う対外貿易条件の悪化や規制の強化により輸出が弱まり、輸入が押し上げられる
ことで通貨安が進むため、中期的なインフレリスクは大幅に高まっていると説明し
た。次回会合ではインフレ率を目標値寄りで安定させるために追加利上げを行う可
能性があるとしている。