欧州復興開発銀行(EBRD)は21日、チェコのリチウム鉱床を開発する豪ヨーロピア
ン・メタルス・ホールディング(EMH)に600万ユーロを投資すると発表した。リチ
ウムの欧州生産を実現することで、エネルギー安全保障を向上させ、脱炭素化(グ
リーン・トランジション)を進める狙い。
EMHはチェコ国営電力CEZと共同で北部のシノヴェツ鉱山の開発に取り組んでいる。
今回、第三者割当増資を通じてEBRDから調達した資金で、同鉱山の開発準備作業を
完了し、フル生産に向けた調査を実施する。バッテリー用途のリチウムのほか、ス
ズ、タングステンを市場に供給する計画だ。
リチウムは高容量バッテリーの原料だ。世界で電動車(EV)の普及が進んでいるこ
とから、今後10年で需要が急激に拡大すると予想される。欧州で生産できれば世界
市場への依存が緩和でき、欧州のエネルギー安全保障にもつながる。
EMHはオーストラリア証券取引所(ASX)とロンドン証取の中堅・中小ベンチャー市
場(AIM)に上場する。シノヴェツ・プロジェクトを運営するゲオメト(Geomet)
に49%出資している。