クロアチアの高級電気自動車(EV)メーカー、リマック・アウトモビリは17日、定
置型エネルギー貯蔵システム(ESS)部門、「リマック・エナジー(Rimac
Energy)」のESS製品「サインスタック(SineStack)」を発表した。競合の製品と
比べ、寿命の延長、冗長性の確保、競争力のあるコストなどの利点がある。クロア
チアの再生可能エネルギー企業ENNAと提携し、同製品を再生エネ発電設備や送電網
に接続していく予定。2024年の試験事業開始と、将来的な南東欧地域での拡販を計
画している。
サインスタックはシステム寿命におけるサイクル回数が最大1万2,000回。充放電の
エネルギー効率(往復効率、RTE)は92%以上、温度の変化率(温度勾配)は液体
冷却により5℃未満に抑えており、発電量あたりのコストを表す均等化貯蔵コスト
(LCOS)に優れる。電力を変換するパワーコンディショナー(PCS)をバッテリー
と統合し、外部インバーターを不要にして省スペース化を図ることで、平方メート
ル当たりのエネルギー密度を増やしている。インバーターの変更や追加を必要とせ
ず一度に790キロワット時(kWh)の容量を追加できる。生産は欧州で行う。
以前の発表によると、同システムは25年からクロアチア国内にあるリマック拠点で
量産する。年産量は10ギガワット時(GWh)以上を見込んでいる。