トルコ中央銀行は23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利
を5ポイント引き上げ、40%とすることを決めた。利上げは6会合連続。市場は0.25
ポイントの上げ幅を予想していた。インフレ率が高止まりする中、大幅な利上げを
通じて物価の高騰に歯止めをかける意向だ。引き締めサイクルにつては終わりが近
いことを示唆した。
インフレ率は10月に61.35%となり、前月(61.53%)からわずかに低下したもの
の、依然として高水準にとどまっている。通貨リラ安に加え、税率の引き上げによ
るエネルギー価格の上昇が大きい。市場は来年5月に70〜75%まで上がるとみてい
る。
中銀は声明で、内需の伸びとサービス価格の高騰、地政学的リスクがインフレに上
昇圧力をかけているとの認識を示した。その一方で、これまでの引き締め政策の効
果によりインフレが頭打ちになっていると指摘。金利は高インフレを解消するのに
必要な水準に近付いているとして、「金融引き締めのペースを今後減速し、引き締
めサイクルも短期間で終わるだろう」との見通しを示した。
中銀は長らくエルドアン大統領の意向を酌み、高インフレ下でも積極的な金融引き
締めを見合わせてきた。今回の5ポイントの上げ幅について、ブルーベイ・アセッ
トマネジメントのティモシー・アッシュ氏は「実に印象的で、予想を大きく超えて
いる」とコメント。「中銀はインフレとの戦いに真剣に取り組んでいる」と評価し
た。