独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社シュコダ自動車は12日、カザフスタン
の自動車大手アルール・カンパニー(Allur Company)と提携を拡大することで合
意したと発表した。将来的な完全ノックダウン(CKD)の可能性を模索したり、人
材教育で協力する。シュコダ自は10月に同国市場への再参入を発表していた。
シュコダ自はすでに、SUV「コディアク」、「カミク」、「カロク」、人気モデル
「オクタヴィア」のセミノックダウン生産(SKD)を2024年1-3月期(第1四半期)
から開始することを決定している。同計画ではチェコのムラダー・ボレスラフとク
ヴァシニの工場から部品を出荷し、アルールがコスタナイに持つ工場でSKDを行
う。
今回の合意には、25年以降に完全ノックダウン(CKD)生産を開始する実現可能性
評価の実施が含まれる。CKDが実現すれば、溶接、塗装、最終組み立てを含む包括
的な生産現地化が可能になり、地場サプライヤーからの調達比率も上がる。評価結
果は24年末に公表される予定。
両社は自動車業界での就労を希望する若い人材の技術訓練でも協力する。シュコダ
自は同国の教育機関との協力関係も構築していく。
販売は2月後半に開始する。これに合わせてアスタナ、アルマトイ、シムケント、
カラガンダの4都市でディーラーをオープン。その後も順次出店し、最終的に国内
15都市にショールームを開設する計画だ。アルールは国内市場最大手で、22年の
シェアは44.4%に上った。
シュコダ自は05年から21年までカザフスタンで事業を展開し、2万3,000台以上を販
売した。同国は人口1,000人当たりの自動車登録台数が186台と、欧州連合(EU)の
567台の3分の1に留まっており、伸び代が大きい。同社は今後5年間で市場全体の累
計販売台数が20万台を超えると予想。市場シェア5%の獲得と維持を目指す。