昆虫由来の飼料原料メーカー、独シーメンスと戦略提携

飼料用昆虫製品を手がけるブルガリアのナセコモ(Nasekomo)は5日、昆虫養殖場
ネットワーク構築における提携で、独シーメンスと基本合意したと発表した。まず
は欧州内でネットワークを確立し、世界に拡大する計画だ。最大で養殖場200軒を
設置する。
プロジェクトでは最初に、アメリカミズアブの卵のふ化センターを整備する。シー
メンスの人工知能(AI)ベースの技術力・データ分析力を活用して、増産を推進す
る方針だ。
ナセコモは2017年の創業。世界で食肉・水産物の需要が伸びるなか、ペット・畜
産・養殖用飼料を従来の形で生産し続ければ環境破壊が必至と判断し、原料を昆虫
由来のもので代替する方法を開発した。
同社によれば、養殖場1軒あたりで年間10万トンの有機廃棄物からプロテインやオ
イルなど、2万5,000トンの昆虫製品が得られる。また、有機廃棄物が分解されると
二酸化炭素(CO2)が発生するが、昆虫の飼料とすることで発生が抑えられる。そ
の結果、昆虫タンパク1トン当たりで、CO2排出量が最大10トン減ると考えられてい
る。
ナセコモは今年9月、ブルガリアの復興レジリエンス計画を通じ、欧州連合(EU)
から490万レフ(250万ユーロ)の助成を受けることが決まった。
シーメンスとの提携は国連気候変動会議(COP28)が開催されているドバイで発表
した。記者会見にはブルガリアのイノベーション・経済成長相、環境・水道相も同
席した。(1BGN=80.33JPY)

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