トルコ進歩労働組合連合(DISK)は8日、政府・雇用者・労組代表による三者最低
賃金交渉を前に、賃金引き上げの必要性を訴えた。ほぼ最低賃金で働く人が半分を
占めるほか、それ以下の人も多いという。現行の最低賃金は、4人家族の生活必需
品の購入に必要な金額(貧困線)を大きく下回るばかりか、食品の購入にも足りな
い水準(飢餓ライン)と指摘し、大幅な引き上げが避けられないという立場を明確
にした。
トルコの最低賃金(月額)は現在、税込みで1万3,414リラ(428ユーロ)、手取りで1
万1,401リラ(364ユーロ)だ。DISKの調べによると、労働者の50%前後が最低賃金
に近い収入で働いており、民間部門に限るとその割合は約70%に上る。さらに730
万人が最低賃金以下しか得ていない。
一方で、貧困線は4人家族で4万5,000リラ(1,553米ドル)、飢餓ラインは1万4,025
リラ(484ドル)。
最大労組のトルコ労働組合連合(Turk-Is)の調べでも、労働者のおよそ8割で、手
取り給与が1万1,402リラ(394ドル)にしかならない。このため、同連合でも賃金
交渉で最低賃金の引き上げを実現する決意を示している。(1TRY=5.01JPY)