持続可能な包装材を手がけるエストニアのウーラは13日、250万ユーロを調達した
と発表した。調達資金で営業・販売業務を強化する。同社は壊れやすい品物を包む
羊毛製の緩衝材を開発した。プラスチック製の「プチプチ」(バブルラップ・クッ
ション)に代わる環境商品として、クッション封筒や包装材を手掛ける。
プラスチック包装材は年間1億4,100万トン生産されているが、そのうちリサイクル
されるのはわずか14%に過ぎない。一方で欧州諸国では羊毛生産量の最大9割に上
る約20万トンが焼却・埋め立て処分されている。繊維として使うには品質が劣るた
めだ。
2020年の創業当時、ウーラの狙いは電子商取引(EC)で多用されるバブルラップ・
クッションの付いた封筒の代替品を作ることだった。しかし、今は高級・奢侈品の
包装材としても売り込みをかけている。
アナリーサ・パラトゥ最高経営責任者(CEO)によると、仏高級ブランドLVMHグ
ループの2社がすでに包装材をウーラ製のものに切り替えた。そのうちの1社とは循
環経済のパイロットプログラムを進めているところだ。LVMHは環境ロードマップ
で、26年までに化石資源ベースの新品プラスチックを包装材に使うことをやめる方
針を掲げている。
今回の資金調達では、エストニアのメタプラネットがリードインベスターを務め、
やはりエストニアのレモネード・スタンドと、エンジェル投資家が参加した。メタ
プラネットとレモネード・スタンドは21年以来、ウーラに投資している。