キルギスで新たな自動車工場着工、年産数8万台

キルギスの首都ビシュケク郊外のソクルクで28日、自動車工場の起工式が行われ
た。大統領府によると、今年8月に稼働を開始し、最終的な年産台数は8万台となる
予定。電気自動車(EV)、商用車、乗用車のノックダウン(KD)生産を行う。具体
的なブランドやモデル名は明らかにされていない。投資額は1億1,500万米ドル。
キルギス企業と中国の建設企業、湖北卓越グループが共同で工事を行う。ジャパロ
フ大統領は、新工場が「メイド・イン・キルギス」のブランドを確立する礎になる
と述べた。
工場の設置には同国の「再輸出ビジネス」の効率化をはかる思惑もあるとみられ
る。同国はロシアとの貿易圏であるユーラシア経済連合(EAEU)加盟国であること
から、域内向けの輸出品に対し無関税特権が適用される。2023年には中国から輸入
した7万9,000台のうち、6万台をロシアに輸出した。韓国からも5万400台を輸入し
ている。自国産の車両を輸出できるようになれば、これらの輸入にかかるコストを
省ける。
昨年5月にはビシュケクの西50キロにあるアクスーで組み立て工場「アルティン・
トゥルパル」の建設が開始された。米ゼネラルモーターズ(GM)のシボレーブラン
ド車を手掛けるウズベキスタン国営企業ウズオート(UzAuto)と、キルギスの自動
車部品メーカー、DTテクニックが協働し、年内に12車種の生産を開始する予定。以
前の報道によると、当初は年間で最大1万台をセミノックダウン(SKD)生産し、27
年までに同2万台に拡大する。また、部品の生産にも乗り出す。その後は完全ノッ
クダウン(CKD)生産に切り替え、3万台に引き上げる計画だ。
ウズベキスタンはEAEUに加盟しておらず、輸出品に無関税が適用されない。しか
し、部品の関税が完成車よりも低いため、ウズオートはキルギスに部品を輸出し組
み立てることで貿易障壁を回避できる。

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