制裁下にあるロシア・カルーガ州の化学企業シンテックグループ(Sintec)が東南
アジア向けの輸出を再開した。新たな市場を開拓して成長を目指す戦略の一環。主
力製品の自動車用化学品とカーケア用品をインドネシアとカンボジアに出荷した。
国営タス通信が6日伝えた。
輸出再開はカルーガ州当局の肝いりで行われた。同州関係者は、「今年は新たな輸
出先として、東南アジア、中東、独立国家共同体(CIS)諸国の開拓を計画してい
る」と述べ、輸出先の多様化を図る方針を明示した。
シンテックはウクライナへの軍事侵攻前の2021年に行われた対ロ制裁により輸出が
制限された。これを受け、同社と州当局は高品質の製品に軸足を置いて取引先の開
拓と拡大に注力。今回新たにインドネシアとカンボジア市場に参入したことによ
り、供給量はほぼ倍増し、今年だけで50万トン以上の製品を東南アジア地域に出荷
する。この中には中国向けの300トンも含まれるという。