スロバキアの空飛ぶ車、中国メーカーがライセンス取得

スロバキアのクライン・ビジョン(Klein Vision)は3月27日、自社の開発した空
飛ぶ車「エアカー」の製造販売ライセンスを中国同業の河北建新飛行車技術に売却
したと発表した。取引額は非公表。これにより河北建新は中国の「特定の地理的地
域」内でエアカーの製造と販売を独占的に行える。
エアカーは2022年1月、スロバキア運輸当局から欧州航空安全局(EASA)の規定に
準じた耐空証明を取得した。このモデルは2人乗りで、独BMWの1.6リッターエンジ
ン(140馬力)が走行・飛行時ともに動力を供給する。離陸速度は時速115キロ、巡
航速度は180キロ、路上走行時の最高時速は160キロ強。ボタンひとつで3分以内に
自動車から飛行機、飛行機から自動車に「変身」する。最大飛行高度は8,000
フィート(約2.4キロメートル)とされる。
同社のクライン社長は以前に同じスロバキアのエアロモービルで飛行自動車の開発
を手がけていたが、2016年に同社を辞め、翌17年に新会社クライン・ビジョンを立
ち上げた。同社長は今回の取引について、「革新的なモビリティ・ソリューション
への世界的なアクセスを拡大し、業界の進歩を促すという当社の使命に合致してい
る」と述べた。
中国は現在、空飛ぶ輸送ソリューションの開発に積極的に取り組んでいる。2月に
はオートフライトという企業が深セン市と珠海市の間で旅客輸送用ドローンの試験
飛行を行い、車で3時間の距離を20分で結んだ。昨年は空飛ぶタクシー開発のeHang
が中国当局から安全証明を取得している。

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