電動車向けバッテリーを手がけるスロバキアのイノバットは22日、ブラチスラバ近
郊のヴォデラディ工場でバッテリーセルの量産を開始したと発表した。同国でバッ
テリーセルが生産されるのはこれが初めて。同社はスウェーデン、ノルウェー、ド
イツ、フランスに続いて欧州の品質基準を満たすバッテリー生産国の仲間入りを果
たしたとしている。
今回生産を開始したのはヴォデラディ拠点のVolta�工場で、年産能力は最大5万
個。中国の無錫先導智能が生産ラインを設置した。同拠点で建設中のVolta�工場
は中国のリチウムイオン電池大手、合肥国軒高科動力能源(国軒高科)の支援を受
けて整備する。完成後は最大4ギガワット時(GWh)の生産能力を持つイノバット初
のギガファクトリーとなる。
イノバット創業者兼社長のマリアン・ボチェク氏は、「我々はバッテリーを作るだ
けでなく、顧客のニーズに合わせて設計し、調整を行う。これには卓越したスキル
と専門知識が必要だが、それをスロバキアで実現できたことを誇りに思う」とコメ
ント。スロバキアeモビリティ協会のクリジャンスキー会長は、「研究開発の好条
件とインセンティブがあれば、スロバキアでも世界で通用するイノベーションが生
まれる可能性があることをイノバットは証明している」と述べた。