トルコの家電大手アルチェリク(Arcelik)の欧州子会社ベコ・ヨーロッパ
(Beko)はポーランドの2工場を閉鎖する。総務部の従業員を合わせ、1,800人強を
削減する。ポーランドの『ジェチポスポリタ』紙が10月31日に伝えた。
対象となるのはウッヂのコンロ・衣類乾燥機・プラスチック部品工場とヴロツワフ
の冷蔵庫工場だ。退職金を含め、閉鎖をめぐる措置について、すでに労働組合と合
意した。
ポーランドには国際的な白物家電メーカーのほぼすべてが進出している。2023年の
国内生産・輸入台数に占めるシェアは、独ボッシュ・シーメンス・ハウスゲレーテ
(BSH)が24%、韓国のサムスン電子が17%、米ワールプールが16%、スウェーデ
ンのエレクトロラックスが15%だったが、アルチェリクが今春、ワールプールの欧
州事業を買収したことで状況は流動的になっている。
アルチェリクは4月にワールプールの欧州事業の75%を買収して自社の欧州事業と
合併、「ベコ・ヨーロッパ」に改名して傘下に収めた。今後、欧州家電市場におけ
る勢力を強化するとみられていただけに、ポーランド工場の閉鎖は業界関係者を驚
かせた。ベコはポーランド事業の再編について、市場をめぐる状況を踏まえ、長期
的に採算を確保するためと説明している。生産設備の新しいヴロツワフのコンロ工
場、ラドムスコの洗濯機・食洗器工場は維持する。
ベコ・ヨーロッパはポーランドのほかイタリア、スロバキア、英国、ルーマニアで
11工場を運営してきた。年産能力は約2,400万台。従業員数は2万人に上る。このう
ちポーランドで6,000人を雇用する。