ロシアの自動車大手アフトワズ(AvtoVAZ)がイラン市場への参入時期を「年内」
から「2025年」に延期する。『コメルサント』紙の報道によると、マクシム・ソコ
ロフ社長が19日、国際フォーラム「トランスポート・オブ・ロシア」で明らかにし
た。制裁に苦しむ両国は関係強化に努めているが、自動車取引は障害が多く、状況
の複雑さを改めて示すものと受け取られている。
ソコロフ社長はイラン事業について、2〜3カ月前に同国へ認証手続きのために自動
車を送ったことを認めた。同時にアラブ首長国連邦(UAE)へ進出する計画も明ら
かにした。時期は現地市場の状況と販売店舗側の準備の進み具合によるという。
アンドレイ・ヴラディミルツェフ国外販売部長によると、アフトワズはイラン市場
で「ラーダ・ヴェスタ」、「ラーダ・グランタ」、「ニヴァ・トラベル」を販売す
る意向だ。これらのモデルは、昨年11月にテヘランで開かれた第2回ユーラシア見
本市で展示され、現地のニカ・モータースが販売代理店になると発表された。
中東情勢が悪化を続けているが、ソコロフ社長はそれでもアフトワズの国外事業拡
大計画に変更はないとしている。一方で、イラン市場の販売目標については言及を
拒んだ。
アフトワズは10年前にもイラン進出を計画したが、米国による対イラン制裁が壁と
なり断念した。イランは西側諸国の対ロシア制裁が始まった後、ロシアに自動車を
輸出し始めたが、その品質に対する消費者の懸念が大きく、苦戦している。
イランの乗用車市場は、イラン・ホドロ(IKCO)とサイパーの大手2社が合わせて
85%のシェアを握る。IKCOは2007〜09年にロシア市場参入を試みたが、寒冷な気候
での性能や、部品の品質で問題が生じ、失敗に終わった。サイパーは22年にロシア
へ4万5,000台を輸出する計画を発表したが、昨年12月、ロシア代理店が採算のめど
が立たないことを理由に契約を解消した。IKCOはそれ以降、自社モデルの近代化を
進めている。これには、17年の「グループPSA」プラットフォームを採用したクロ
スオーバー車「リラ(Rira)」も含まれる。