経営再建を進めるスウェーデンのリチウムイオン電池メーカー、ノースボルトは22
日、ポーランドのグダンスクにある定置用電池(エネルギー貯蔵システム)の組み
立て工場を閉鎖すると発表した。売却先を模索していたが出資者が現れなかった。
同地の産業用電池システム工場については引き続き売却を目指す。
昨年8月に開所したばかりの定置用電池工場は面積2万5,000平方メートルと欧州最
大規模。閉鎖により従業員281人が影響を受ける。
ノースボルトは中国製電池への強い依存からの脱却を目指す欧州の希望の星と目さ
れてきた。だが、スウェーデン北部のシェルレフテオー工場で2021年12月に始まっ
たセルの量産がスムーズに行かず、計画が大幅に遅延。今年6月には大口顧客とな
るはずだった独BMWが車載電池セルの調達契約を破棄し、資金繰りが悪化した。
23%を出資する独フォルクスワーゲン(VW)は当初、支援する意向だったが、自社
の工場閉鎖という問題に直面したため断念したとされる。
ノースボルトは今回の発表に先立つ21日、米連邦破産法11条の適用を申請したこと
を明らかにした。同条の適用を受けて債務整理を進めるとともに、電気自動車
(BEV)の販売低迷を受け電池需要が鈍っていることから事業基盤を現在の顧客
ニーズに見合った水準に縮小し、経営の立て直しを図る。