ゼロ排出の駆動システムの開発を手がけるスロバキアのモビリティ・アンド・イノ
ベーション・プロダクション(MIP)がこのほど、ブラチスラバの南東40キロほど
に位置するオレホヴァー・ポトーニのレース場で初の国内開発の燃料電池トレー
ラーヘッドを披露した。フォード「Fマックス」のプラットフォームを採用し、す
でに欧州の型式認証を受けている。
『スロバク・スペクテーター』が現地の情報をまとめて伝えたところによると、こ
のトラクターヘッドは、駆動モーターの出力が540キロワット(kW)。最高で総重
量45トンのトレーラーをけん引できる。蘭エヌプロックスの水素タンク4基(合計
容量48キロ)を備え、航続距離は600〜750キロに及ぶ。
MIPは様々な自動車のゼロエミッション駆動システムを研究開発するスタートアッ
プだ。特に、欧州型式認証を得られるような運送車両向けシステムに力を入れる。
2022年には複合材を使った超軽量の燃料電池バスを市場投入したという。
燃料電池トラックの発表会では、チェコのメトランス、ハンガリーのヴァーベラー
ス(Waberer’s)の物流2社が実用試験を行うことも明らかにされた。結果が良好
であれば、受注につながる好機だ。
開発はトルコのフォード・トラックスと共同で取り組んだ。ヤノシュ・オーノディ
最高経営責任者(CEO)は非在来型の技術で走るトラックの開発に成功したこと
で、「スロバキアに、製造だけでなく、先端技術を開発できる頭を持つ人間がいる
ことが証明された」と自信を語った。
フォード・トラックスのエムラフ・ドゥマン副会長も今回のプロジェクトの成功に
満足を示し、MIPとの提携継続に期待を示した。
MIP社ホームページ
https://mobility-innovation.sk/en/