ポーランド政府が10億ズロチ(2億3,200万ユーロ)を投じ、人工知能(AI)開発を
支援する。防衛省とデジタル化省が提携して計画を進める。AIファンドを設定する
とともに、AI分野における開発・投資動向を監視・調整する諮問委員会を設置す
る。
クシュシュトフ・ガフコフスキ・デジタル化相は、ポーランドをAIのハブに育てる
のが政府の明確な方針であることを示し、すでに国内で始まっている「AI工場設置
の動き」を支援していくと話した。また、世界のAI開発競争のなかで競争力を維持
するため、ポーランド語の大規模言語モデル「PLLuM」の開発計画を実施すると発
表した。
ズワディスワフ・コシニャクカミシュ防衛相は、「ポーランドの将来を安全かつ豊
かなものにするために、経済と安全保障の双方を発展させていかなければならな
い。片方が欠ければ、もう片方も成り立たないからだ」とし、AIが経済において
も、安全保障政策においても不可欠であるという認識を示した。また、科学・イノ
ベーションにおける成果の商業化で、政府が支援する姿勢を明らかにした。
クシュシュトフ・ガフコフスキ・デジタル化相によると、ファンドの支出計画の詳
細は来年初めに発表する。支援計画の期限は公表されなかった。
諮問委員会は、デジタル化省、科学省、防衛省、ポーランド開発基金、国立研究開
発センター、国立科学センターおよびポーランド開発銀行(BGK)など、政府・研
究機関の代表で構成する。◇安全かつ倫理的規範に沿ったAIを開発するための支援
ガイドラインを策定◇特定のプログラム・プロジェクトに対する資金配分計画案を
作成◇国内AI市場の動向を監視——などの役割を負う。