中国の蘇州国家ハイテク産業開発区が、セルビアにビジネスセンターを設立するこ
とを検討している。中国企業の新市場開拓を支援する狙い。今年7月に自由貿易協
定(FTA)が発効し、両国が経済提携を深めようとしている姿勢がうかがわれる。
セルビア商工会議(PKS)が11月28日、明らかにした。
ビジネスセンター設立は、マルコ・チャデジュPKS会頭が北京訪問に伴い、蘇州投
資促進委員会のチャン・ジーナ(Gina Zhang)氏率いる蘇州市代表団と会談した際
に提起された。チャデジュ会頭は「(センター設立が)両国のイノベーション・エ
コシステム連携に向けた重要な一歩を意味する」と話し、セルビアの企業・製品を
紹介する「ショールーム」を準備したい意向だ。
蘇州は江蘇省の都市で、上海の西およそ100キロに位置する。産業・経済開発のモ
デル的存在だ。高度なインフラが整い、テクノロジーに照準を合わせていることで
知られ、市政府が世界12カ所でイノベーションセンターを運営している。昨年の市
内総生産(GDP)は500億米ドルと報告されている。
来年4月にセルビアで開催するイノベーションをテーマとするビジネスフォーラム
の準備のため、PKS代表団が同2月末に蘇州を訪れることも決まった。同フォーラム
は呉慶文・蘇州市長のセルビア訪問に合わせて開かれる。
PKS代表団は今回、国営IT・軍需大手の中国電子科技集団(CETC)のチョウ・ショ
ンウェイ(Zhou Xiongwe)副社長とも会談した。チャデジュ会頭は同社との提携が
実現すれば、「経済の発展のみならず先端技術のノウハウ共有にもつながり、両国
ともその恩恵を受けられる」と期待感を示した。