欧州復興開発銀行(EBRD)は6日、クロアチアの製薬最大手ヤドラン・ガレンス
キ・ラボラトリ(JGL)が発行した「サステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)」
に1,000万ユーロを投資すると発表した。ESG(環境・社会・企業統治)に配慮した
経営を支援する狙い。SLBはESG債の一種で、発行体が具体的なサステナビリティ目
標を提示し、目標の達成状況に応じて金利などの条件が変動する。今回のSLB発行
はクロアチアで3番目、製薬業界では初めてだ。
JGLはリエカに本拠を置く輸出企業。風邪や流行性感冒、眼科・皮膚疾患の治療薬
に強く、世界11カ国に60製品を供給する。従業員数は1,300人を超える。
今回のSLB発行総額は6,000万ユーロで、持続可能なグリーン成長による事業拡大に
向けて資金を投資する。
JGLはまた、SLBの目標には含めていないが、EBRDからの投資を受け入れるに当た
り、企業供給網の全体で発生する温暖化ガス排出量(スコープ3)の目標値を定
め、達成度を監視・報告する取り組みもスタートさせる。