余白一滴

今月の天候は極端だ。長雨で河川が氾濫したかと思えば、直後に北極の寒波が襲来し、それまで温暖だった気温は一気にマイナス2ケタ台へと低下。大雪や雨氷で交通が大幅に混乱する地域もあり、当局は危険な外出を控えるよう呼びかけた。

筆者が住むフランクフルトでは増水・氾濫に寒波が続いた効果で、川辺の木の枝が軒並み氷像と化した。珍しく美しい光景であったため、多くの人がスマホで撮影していた。

厳寒の後は一転して温暖な好天が続いている。川辺の梢に氷はすでになく、代わりに、、、。ポリ袋が引っ掛かった状態で大量に残されていた。普通の流量であれば川下にそのまま流れていたであろうが、増水したがゆえに岸沿いの木枝が掬い網のような機能を果たすことになったのである。氷があるときは、まさかポリ袋が混じっているとは思いもしなかった。

興ざめな思いの後でどのくらいあるのか数えてみたところ、1本当たり10枚を超える木が多かった。海洋プラスチックごみが主に河川経由で海に流れ着くことは知識として知っていたが、釣り人もいる家の近くののどかな川がごみの水系の毛細血管に当たることを実感した。